
丸菱製麺
包丁切り 近江うどん
滋賀県産小麦の「ふくさやか」を使用し、もっちりとしたやわらかさの中にもコシを感じさせる食感に。温めるだけで使えるゆでタイプ。
丸菱製麺4代目の冨江 義樹さん
原材料となる滋賀県産小麦の「ふくさやか」やってきたのは東近江市にある昔ながらの集落。瓦屋根の民家が軒を連ねる一角に、丸菱製麺の工場があります。「うちは1932(昭和7)年に曽祖父が創った会社です。現在はうどんだけでなく、中華麺やソフトめん、餃子や春巻きの皮なども作っています」と4代目の冨江義樹さん。
商品の材料に滋賀県産小麦をメインに使用するようになったのは、冨江さんの父である彦仁さんの代から。現在、日本に流通する小麦の約80%が外国産のものですが、丸菱製麺では“地産地消”をテーマに、他社とは異なる商品づくりに励んでいます。
「そもそも滋賀県は関西で一番の“麦どころ”。この恵まれた環境を生かし、弊社が加盟する滋賀県製麺工業組合で開発したのが、近江うどんです。このうどんには滋賀県産小麦の『ふくさやか』を100%使用しています」。
ふくさやかと、は中力粉に分類されるうどん向きの品種。白くて美しい麺色で、もっちりとやわらかな口当たりに仕上がります。
「このうどんを開発した頃、滋賀県で第1回全国ご当地うどんサミットが開催されました。私たちはこのうどんを使って『近江牛うどん』を出品し、そこで初代グランプリを獲得したんですよ」。
うどんの断面はシャープな四角形で、ゆでた後も四辺が凹んでおり、つゆとの絡みがよくなります丸菱製麺の近江うどんは滋賀県製麺工業組合が開発したものをベースに、“包丁切りり”という技術を取り入れ、生協向けにパッケージから作り直した商品です。
「うどんの製麺機には大きく分けて3種類あります。一つ目がタテ方向だけに生地を延ばして大量生産できるロール式。二つ目がパスタマシンのように生地を押し出す押し出し式。そして三つ目は、職人の手のようにタテ・ヨコに生地を延ばしてコシを出す手打ち式です。この手打ち式では最終的に機械に内蔵された包丁刃でカットするので、“包丁切りり”とも呼ばれています」。
包丁切りりの特徴は、麺の断面がシャープな四角形になり、ゆでた後でも四角形の4辺が凹んでいるため、つゆとの絡みがよくなること。昔から「角の立つうどんはおいしい」といわれますが、それは包丁で切った麺の断面にヒミツがあるのです。
手打ち式の製麺機では、最後に機械に取り付けた包丁刃で麺をカットしますまた「包丁切り 近江うどん」は、温めるだけでサッと使えるゆでタイプ。特に「せっかちな人が多い」といわれる関西圏では、ゆでタイプの人気が高く、生うどんに比べて大幅に調理時間を短縮することができます。
さらには原材料が小麦・水・塩だけで、pH調整剤や加工デンプンといった食品添加物を使用していません。
早朝4時からうどんやソフトめん、餃子の皮など7~10種類の商品づくりが始まります「滋賀県産小麦って意外と希少なんです。日本に流通する小麦の約80%が外国産、約20%が国内産です。その国内産の約60%が北海道産、滋賀県産はわずか2%しかないんです。そう考えると、どこでも食べられるものじゃない。それをみなさんに知ってほしいですね」と冨江さん。
丸菱製麺では滋賀県内の学校給食も手がけており、子どもたちに滋賀県産小麦を使ったうどんやソフトめんなどを提供しています。いわば幼い頃から郷土の恵みに慣れ親しめる環境にありますが、それが全国的に見て当たり前ではないということ。
これからも滋賀県生まれ・滋賀県育ちのうどんを食べ続けられるよう、私たちも郷土の恵みに感謝の気持ちを込めながら、細く長く買い支えていきたいですね。


