ほんのり甘酸っぱく、フワフワでおいしいのに、賞味期間が常温保存で1ヶ月以上もある「毎日クロワッサン」。
その不思議なパンを製造するのは、愛知県小牧市に本社・工場がある株式会社コモ。長持ちするので買い置きにとても便利。ただ、中には「保存料などの添加物が入っているのでは?」と心配する声も。ですがコモのパンは保存料・保存剤無添加です。
その秘密は、イタリアの天然酵母「パネトーネ種(だね)」を使っての長時間熟成・発酵。一般的にパン作りに使われるイースト菌での発酵の約10倍、10時間かけて発酵させることで、一般的なパンに比べて水分量が少なく、カビなどの微生物が繁殖しにくい環境を作っています。また、包材も機密性の高いものを使用しています。
社名の由来は、パネトーネ種の故郷・イタリアの「コモ湖」から。また「CO」はコミュニケーション、「MO」はモア(もっと)を意味し、「おいしさを通じて、より多くのコミュニケーションを提供したい」というコモのポリシーを表しています。
「独特の風味と口どけの良い本場のクロワッサンを、ぜひ日本で食べてもらいたい」という創業者の強い想いにより、1984年に会社を設立。本場と環境が違う中、工場はパネトーネ種を扱う専用設計で建てられ、数年はイタリア人技術者から指導を受けながらのスタートでした。パネトーネ種は毎年空輸され、「マザー」と呼ばれて、温度や湿度などイタリアと同じ環境に整えられた特別室で管理されています。
初めは、コープながので取り扱いが始まり、その後全国の生協に広がりました。共同購入という週に1回の配達の仕組みと、保存料無添加で長持ちする安全・安心のコモのパンは相性がぴったり。「ダンボールでの“まとめ買い”」が好評となり、コープしがでも10年以上前からのおつきあいです。
「生協での取り扱いを機に、多くの方に良さをわかってもらうことができました。信用に応えながら、組合員さんの求められるものをこれからも開発していきます」と営業の青木さん。
【パネトーネ種】パネトーネ種は生き物なので、会社が休みでもマザー室だけは24時間体制で管理されています
パネトーネ種は、「酵母」と「乳酸菌」が共生している特別な酵母です。焼成前の発酵生地100gあたり、1億個以上の植物性乳酸菌が含まれています。コモのパンに、甘酸っぱい独特な風味があるのはこの乳酸菌の風味です。酵母と乳酸菌の相乗効果により味がまとまっているため、食塩の添加量は一般的なパンの半分以下。塩分を気にされる方にもピッタリのパンです。
長時間発酵により小麦粉のたんぱく質がアミノ酸に変わり旨みが増すとともに、柔らかな口どけにつながります
製造工程に時間がかかるため、一度に50万個製造しています
コモのパンは、熟練した職人の技をそのまま活かせる本場イタリア製の機械によって作られています。
パネトーネ種に小麦粉やそのほかの原料を幾度にも分けて加えながら攪拌(かくはん)し、こねあがった生地を冷蔵庫で熟成させた後、成型、発酵、焼き上げとなります。
すべての手作り工程を機械化することで、大量生産と低価格が実現されていますが、工場内にはたくさんの人がいます。機械化すると同時に、要所で必要な人の目によるチェックや作業も丁寧にされています。
仕込みから焼き上げまで3日かかり、手間と時間をかけて製造しています。まさに、時間と手間から生まれる自然と伝統の恵みといえるのではないでしょうか。