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たべる・たいせつ
50歳は「骨力」の曲がり角

年齢を重ねるごとに体力が落ちたなと感じることは、多かれ少なかれ誰でもあると思います。

その時に思うのはまず筋力の低下ではないでしょうか。そこで「骨力が落ちたな」と考える人は少ないと思いますが、実際は、筋力も骨力も20代をピークに徐々に低下します。骨力には骨量と骨質が重要ですが、特に女性の場合、骨量は閉経を迎える50歳前後で急激に低下。体力だけでなく健康寿命にも大きく影響してきます。

骨力の低下予防のために心がけたいのが、適切なエネルギーと栄養バランスのよい食事を基本にした、3つのポイントです。まずカルシウム600㎎以上を目安に摂取しましょう。カルシウムを多く含む食品は、牛乳・乳製品、野菜、海藻、豆類、魚介類。中でも牛乳は200㎖で200㎎のカルシウムを含み、吸収率も40%とトップ。小魚は30%、小松菜などの野菜は15%程度になります。2つ目に、腸管でのカルシウムの吸収を高め、骨のリモデリング(再構築)を促進してくれるビタミンDを十分取りましょう。食品ではサケやイワシ、そしてきのこ類に多く含まれます。また、人の皮下脂肪には日光(紫外線)を浴びることによってビタミンDに変わる物質が含まれているので、夏なら1日に木陰で30分程度、冬なら1時間程度の日光浴で十分な効果が期待できます。3つ目は、吸収したカルシウムを骨にしっかり沈着させるため、体重をかけるなどの機械的な動きによる刺激を与えること。ビタミンD増加と合わせ、食後に深呼吸しながらウォーキングはいかがでしょうか。また、摂取したカルシウムの吸収を阻害するリンと、過剰な塩分摂取を控えるとさらに効果的。リンはインスタント食品や加工食品の保存料などに含まれます。

50歳からでも何かに挑戦できる体をつくるために、早めに骨力アップを心がけ、いつまでもはつらつと過ごしたいですね。

ポイント
  • 1日にカルシウム600㎎以上
  • ビタミンDを摂る
  • 簡単な運動で刺激を与える

文:医療部管理栄養士 布施順子さん

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