広報誌「スパイラル」特集：コープしがのレコメンド！「食品ロス削減に取り組むコープ商品に注目！」

（写真左から）

完熟バナナスムージー、 CO・OP

梅酒の梅のドライフルーツ、 CO・OP

おからが入ったきなこビスケット

食品ロス削減に取り組むコープ商品に注目！

世界では、およそ9人に1人が栄養不足に苦しんでいます。一方、日本では1年間に約612万トン、東京ドームにして約5杯分の食料が廃棄されているのが現状です（農林水産省・環境省調べ）。このもったいないありさまに「待った！」をかけるべく、日本生協連では食品ロス削減に取り組む商品の開発を行っています。

もっと気軽にエシカル消費を

生協では「すべての人々が人間らしく生きられる豊かな地球を、未来のこどもたちへ」をスローガンに、2030年までに持続可能な社会の実現をめざす「2030環境・サステナビリティ政策」を推進しています。この政策では第一にエシカル消費（人や社会・環境に配慮した倫理的な消費行動）に対応した商品の拡大・普及を総合施策に掲げています。

「特に食品ロス削減に取り組む商品の開発は、組合員のエシカル消費に大きく貢献するものです」と話すのは、日本生活協同組合連合会（以下、日本生協連）社会・地域活動推進部の新良貴泰夫さん。

“エシカル”と聞くとどうしても、「意識が高い人のモノ」だとか「何だか難しそう」などと思われがちですが、本来なら廃棄される原料を再利用したコープ商品が身近にあれば、気軽に購入するだけで食品ロスの削減に参加できるのです。

規格外バナナがスムージーに変身！

年間約2万トンもの規格外バナナが廃棄されていました

「まず初めに開発したのが、規格外バナナを使った CO・OP 完熟バナナスムージーです」と教えてくれたのは、日本生協連マーケティング部の安田豊さん。これまでフィリピン国内では「本数が基準に合わない」「かたちが不均一」「表面に黒ずみがある」などの理由で膨大な量のバナナが廃棄されていました。

そこで日本生協連は、青果物を使った飲料の開発・加工を得意とする株式会社ふくれんに協力を依頼。廃棄されていた規格外バナナを原産国のフィリピンで追熟してからピューレに加工することで、資源を有効活用しつつもさらにおいしく生まれ変わったバナナスムージーを発売しました。

「 CO・OP 完熟バナナスムージーの誕生で、年間約29トン（2023年度供給実績より）の規格外バナナの削減に成功しました。今では1億円の供給高を誇るヒット商品です」

完熟バナナのピューレを全体の10％使用

規格外バナナは再選別され、図のグレード6以上まで追熟してからピューレにします

“もったいない”のルールづくりも

続いて開発した商品が、梅酒の梅のドライフルーツです。こちらは和歌山県南部を拠点とする紀南農業協同組合との話し合いがきっかけでした。

日本生協連が新たな食品ロス削減に取り組む商品の開発を行おうとする中で、紀南農業協同組合からの「梅酒を製造した後の南高梅を使うのはどうか」という提案を受け、梅酒の梅から種を取り除き、ドライフルーツとして発売することにしました。

また、「なにをもって“もったいない”と規定するのか。本来なら使い道のあるものを勝手に“もったいない”と解釈するのは間違っている」という考えから、商品開発にあたってはルールを定めています。具体的には、食料だけでなく飼料や肥料も含めて本当に行き場のない原料しか使用しないこと。なおかつ流通に乗らない原料であること、というものです。

自らに厳しいルールを課しつつも、近年では豆乳の絞りカスであるおからを使ったおからが入ったきなこビスケットを開発するなど、和の素材と洋菓子を組み合わせた商品にもチャレンジして取り組み、食品ロス削減に取り組む商品の裾野を広げようとしています。