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Pickup FOOD & STORY
産直 四万十川の土しょうが

高温多湿な四万十川の上流域で栽培される土しょうが。金時しょうがとよばれる日本独自の品種で、しっかりと辛みが強く豊かな香りが特長。有機質肥料や有機土壌改良材を積極的に取り入れて、農薬を抑えた栽培に取り組んでいます。

中国やインドでは紀元前から香辛料や生薬として珍重されてきたしょうが。爽やかな香りと辛みが料理を引き立て、味わいに豊かさと奥ゆきを与えてくれます。そこで今回は、高知県中土佐町で農薬を抑えた産直四万十川の土しょうが栽培に取り組む「四万十川の源流水を守る会」にお話をうかがいました。

四万十川の源流水を守る会の畑があるのは、四国最長の河川である四万十川の上流域。雨量が多く、温暖な気候を好むしょうがの栽培に適した高知県西部の山間に位置しています。

そもそもこの生産者団体は今からおよそ40年前、四万十川流域でダムや原子力発電所、国営農地開発事業の計画が持ち上がった際、「賛成・反対に関わらず、農家として勉強していこう」と集まってできたもの。現在でも安全な食物や有機農法などを通じて、四万十川の自然環境を守る取り組みを続けています。

中国やインドでは紀元前から香辛料や生薬として珍重されてきたしょうが。爽やかな香りと辛みが料理を引き立て、味わいに豊かさと奥ゆきを与えてくれます。そこで今回は、高知県中土佐町で農薬を抑えた四万十川の土しょうが栽培に取り組む「四万十川の源流水を守る会」にお話をうかがいました。


農薬を減らす様々な努力

「しょうがは病気になりやすく、とてもデリケートな作物なんですよ」と話すのは、この地で代々しょうがを作り続ける西村さん。毎日畑に目を光らせておかないと2~3週間程度であっという間に病気が蔓延し、時には2度と同じ畑でしょうが作りができないことも。とりわけ西村さんの畑ではサトウキビ由来の土壌改良材や有機質肥料をなるべく使用し、土壌のバランスを整えながら農薬を抑えた栽培に取り組んでいます。

「農薬を減らすということは、病気が出やすくなるということ。感染予防対策として畑ごとに長靴や手袋を洗って消毒していますが、それでも収穫コンテナにひとかけでも病気のしょうがが入ったらすべて廃棄する場合も。非常に残念で悲しいことです」。

そのほかにもしょうがの生育には草引き作業や獣の侵入を防ぐことが重要です。近年、四万十川流域の里山を生息地域にした鹿や猪などの害獣が、農作物を荒らし人を襲っています。田畑は全部柵で囲わないと農作物を荒らされ収穫不能になりますが、その柵の設置が年々重労働になってきています。また夏場の草引きも、日々熱中症の危険と闘いながらの作業です。


食べることで自然を守る

こうして手塩にかけて育てたしょうがを10~11月に収穫し、土付きのまま予冷庫で半年~1年ほど保管して熟成します。収穫直後は透明感のある白いしょうがが時間の経過とともに飴色になり、独特の辛みと強い香りを持つ土しょうがになるのです。

産直四万十川の土しょうがは辛みの中にもうま味があり、鼻孔をくすぐる爽やかな香りが特長。和食・洋食・中華を問わず、どんな料理にも相性ぴったりです。

一方で西村さんは、「高齢化で耕作放棄地となった畑や水田を元に戻し、景観をよくする活動をしています」と話します。同じ畑で同じ作物を作り続けることで起きる連作障害を避けるため、耕作放棄地をうまく活用しながら里山の風景を取り戻そうとしています。間接的ではありますが、私たちが食べることで四万十川の自然を守る一助になっているのです。

跡継ぎの西村拓也さん「健康な体づくりにしょうがを役立ててください」

手入れされた美しい畑。耕作放棄地を活用して、美しい景観を守っています

西村好史さん「気力・体力が続く限り頑張ってこだわりしょうがを作ります」

収穫したてのしょうが。今年は台風の直撃がなく良作です

里山での害獣被害は深刻。広大な畑に柵をめぐらすのは、想像以上の重労働です



土しょうがの栄養りんごの栄養

■世界で使われる土しょうが
熱帯原産の植物でインドの伝統医療アーユルヴェーダ※で使われているなど、日本でも古事記に記載があるほど古くから使われています。殺菌・抗菌効果も高いので、食中毒が気になる夏にも活躍してくれます。食用、薬用、香辛料と幅広く使われる万能食材です。

■薬味だけじゃもったいない!
生のしょうがにはジンゲロールという成分が含まれ、血流促進効果、血糖値上昇を抑制することが明らかになっています。加熱してもショウガオールという成分に変化して体温を上げる働きをしてくれます。生でも調理加工しても効果を発揮してくれるので、生活習慣病対策のひとつとして食事にしょうがを取り入れるのもおすすめです。

しょうがをたくさん使ったあったかお料理

ジンジャーチキンカレー

料理写真

調理時間 約30分
1人分/601kcal 塩分 2.7g

材料(2人分)

しょうがのすりおろし…2片分
手羽元       …4本
白ねぎ       …1本
人参        …1/2本
にんにくのすりおろし…1片分
油・カレー粉    …各大さじ1
塩・こしょう    …各適量
A)トマトケチャップ・酒・
  めんつゆ(3倍濃縮)…各大さじ1
  顆粒コンソメ   …大さじ1/2
  水        …2カップ
B)温かいご飯    …400g
  しょうがのみじん切…1片分

作り方

  1. 手羽元は塩、こしょう各少々をふる。白ねぎはぶつ切り、人参は乱切りにする。
  2. 鍋でしょうが、にんにく、油を熱して香りが出たら、①を加えて焼き色をつける。
  3. カレー粉を加えてサッと炒め、を加える。約15分煮て、塩・こしょうで調味する。
  4. 器に混ぜ合わせた、③を盛る。

薬膳リボンしょうが鍋

料理写真

調理時間 約25分
1人分/377cal 塩分 2.4g

材料(3~4人分)

しょうがのせん切り …2片分
牛しゃぶしゃぶ用肉 …300g
大根        …1/2本
人参        …1本
生しいたけ     …6枚
生きくらげ     …50g
クコの実      …大さじ1
かいわれ大根    …2パック
A)鶏がらスープの素…大さじ1
  酒       …大さじ2
  水       …3カップ
B)しょうがのすりおろし…1片分
  しょうゆ・黒酢・黒砂糖
          …各大さじ2
  ごま油     …大さじ1
  シナモンパウダー…小さじ1/4
  七味唐辛子   …少々

作り方

  1. 大根、人参はピーラーで薄切りにする。しいたけ、きくらげは食べやすく切る。クコの実は水で戻す。
  2. 鍋にを入れて煮立ったら、牛肉を加えてアクを除く。①、かいわれ大根、しょうがを加えて火が通るまで煮る。
  3. 混ぜ合わせたにつけていただく。

しょうが入り豆乳ぜんざい

料理写真

調理時間 約15分
1人分/346kcal 塩分 0.8g

材料(2人分)

しょうが   …1片
切りもち   …2個
A)ゆであずき …1缶(165g)
  無調整豆乳 …1カップ
  黒砂糖   …小さじ1
  塩     …少々

作り方

  1. しょうがは半量をすりおろし、半量はせん切りにする。もちは半分に切ってこんがりと焼く。
  2. 鍋に、しょうがのすりおろしを加え、温める。
  3. 椀に②を注ぎ、①の焼いたもちとせん切りしょうがを入れる。
四万十川の源流水を守る会に聞きました
Q上手な保存方法は?
A乾燥を防ぐために濡らした新聞紙でしょうがを包み、ビニール袋に入れて野菜室で保管することをおすすめします。ただし、しょうがは寒さに弱いので、なるべく早めに食べ切るようにしてください。
Qおすすめの食べ方を教えて!
A私の家では野菜の天ぷらにせん切りにしたしょうがを隠し味として入れています。ピリッとした辛みがアクセントになっておいしいですよ。
また時間がある時は、あらゆる料理にささっと振って食べられるしょうが粉末を作っておくことをおすすめします。せん切りにしたしょうがをカラカラになるまで天日干しにして、ミルミキサーで細かく粉砕してパウダーにします。干す時間がかかりますが、毎日のみそ汁に入れるなどして手軽に栄養が摂れますよ。料理のジャンルを選ばず、“ちょい足し”が可能です。
Qしょうが1片ってどのくらい?
A親指の第一関節くらいまでの大きさです。
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