本文へ

ライフジャーナル
地震、水害、土砂災害…自然災害に備えて今からできること。

甚大な被害をもたらした東日本大震災から早5年となります。
今後も南海トラフ地震や異常気象による大雨など、様々な自然災害が滋賀県内でも想定されます。
大切な家族を守るために、今から準備できることは何でしょうか。
滋賀県防災危機管理局 地震・危機管理室長の三輪真也さんにお話を伺いました。

住んでいる地域の危険を知ろう
役立つ情報を集約した防災ポータルを活用する

滋賀県防災危機管理局 地震・危機管理室長
三輪 真也さん

 水害や土砂災害、地震といった自然災害に備えるために、まずはお住まいの地域のリスクを知るところから始めましょう。

 滋賀県では県のホームページで「防災ポータル」を開設しています。こちらでは気象情報や緊急情報の確認はもちろん、現在の雨量や河川の水位に警戒が必要かをチェックしたり、県内16ヵ所の河川の様子を定点観測カメラで見ることができます。

 中でもぜひ役立てていただきたいのが「滋賀県防災情報マップ」です。昨年の3月にリニューアルをおこないまして、大雨による浸水や土砂災害の危険個所、地震の推定震度分布、お近くの避難所の場所などが、ひと目で確認できるようになりました。

 手始めに「災害リスクを抽出してみる」をクリックし、お住まいの地域をポイントしてみてください。そうすれば、周辺の活断層から推定される地震の最大震度や液状化の危険度、雨量ごとに想定される浸水の深さといったリスクが一覧で表示されます。この地図を印刷し、家族で決めた避難所や避難経路を書きこんでおけば、オリジナルのハザードマップがつくれます。いざという時のために、事前の情報収集はとても大切なことですね。

防災情報マップ

パソコン、スマートフォン、携帯電話からアクセスOK。
滋賀県防災情報マップ ⇒ http://shiga-bousai.jp/dmap/top/index
トップページから「災害リスクを抽出してみる」をクリック
パソコン、スマートフォン、携帯電話からアクセスOK

日頃から準備をしておこう
非常持ち出し袋と非常備蓄品を用意する

 普段からできる防災対策として、非常持ち出し袋と非常備蓄品の準備をしておきましょう。

 非常持ち出し袋は、男性であれば15㎏、女性であれば10㎏が目安です。あまり重いと動きにくいので、家族と相談して本当に必要なものだけを詰めるようにしてください。また、いつでも両手が使えるように、リュックサックなど背負えるバッグが便利です。枕もとや出入口など、いつも同じ場所に置いておく習慣を付けましょう。

 非常備蓄品に関しては、災害発生時から3日目くらいで救援物資の到着やライフラインの復旧が見込まれる場合が多いため、最低でも家族で3日間過ごせる分の備蓄をしておくと安心です。

いざ災害が起こった時は冷静に
まず自分の命を守ること防災訓練にも参加を

 とはいえいざ災害が起こったら、皆さんはきちんと対処できるでしょうか。阪神・淡路大震災時にとった行動のアンケートでは、39.5%もの人々が「何もできなかった」と回答しています。

 地震であれ水害であれ、まず災害が起こった時には、自分の身を守る行動をとることが先決です。大きな揺れを感じたら、机の下に身を隠したり、布団をかぶるなどして頭を守る。また、急な水害や土砂災害で安全な場所に避難する時間がないなら、垂直避難といって自宅の2階やビルの高層階など高い所に避難する。とにかく自分の身を守ることを第一に考えてください。自分が助かれば、被害に遭われた隣人を助ける力になります。自助・共助の精神が、これからは大切です。そのためには、各市町が実施している防災訓練に積極的に参加して、普段から防災意識を高めるように努めましょう。

非常持ち出し袋に入れるもの
□ ヘルメット□ ティッシュ・ウェットティッシュ
□ 懐中電灯□ 生理用品
□ ラジオ□ タオル
□ 乾電池□ マスク
□ 飲料水□ ポリ袋
□ 救急セット・薬□ 筆記用具
□ 下着・靴下□ 預金通帳のコピー
□ 洗面道具□ 現金(札と小銭)
□ 軍手・雨具□ ホイッスル
□ ライター 
☆赤ちゃんがいる家庭は、粉ミルクやほ乳びん、紙おむつ、母子健康手帳のコピーなどが必要です。
☆印鑑や通帳、権利証、貴金属類は持ち出し袋に入れておくと空き巣にねらわれるので、すぐ持ち出せる安全な場所に保管しておきましょう。

非常備蓄品
□ 米・アルファ米
□ 缶詰
□ 菓子類
□ レトルト・インスタント食品
□ 飲料水(ひとり1日3リットルが目安)
□ 卓上コンロ(予備のガスボンベも)
□ 鍋
□ 簡易ナイフ
□ ラップ
□ ティッシュペーパー・トイレットペーパー
□ 毛布・防寒着
□ 洗面具
□ 紙皿・紙コップ・割りばし
□ ポータブルトイレ
☆救援物資の到着やライフラインの復旧を待つことを考えて、最低でも3日分以上の備蓄に努めましょう。

■参考資料
「滋賀県地震防災ブック(滋賀県防災危機管理局刊)」、「できることから地震対策!!(滋賀県刊)」、「家族で読めるやさしい防災ハンドブック(株式会社エフエム滋賀刊)」

ページトップへ