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ライフジャーナル
美文字に挑戦!

コミュニケーションの主流はパソコンやスマホになり、手書きで気持ちを伝える
機会も少なくなりました。ですが、そんな現状だからこそ、今“美文字”が注目されています。
何気ない伝言も美しい文字で書かれていたら受け取った方も嬉しいもの。
お手本のようにとはいかなくても、現状より美文字に一歩近づけるポイントを、
書道用具や文房具メーカー株式会社呉竹の望月梨衣さんに教えていただきました。
※道具は毛筆ではなく筆ペンを想定しています。

美しい文字とは

(株)呉竹 企画マーケティング部
望月梨衣さん
5歳から書道をはじめる。(株)呉竹では、主に商品開発を行うほか、筆ペンを使ったデモンストレーションなども行っている。

 「美しい文字」と聞いて身構えてしまう人もいるかも知れませんが、教科書のお手本のように書けなくても、見る人に美文字と受け取ってもらうことはできます。

 一文字一文字のどこかが上手く書けなくても、全体を見た時に、バランスが取れていたら「きれいだな」と思ってもらえるものです。ベテランの先生でも、気を抜くと曲がってしまうものなので、薄く中心線を書いてから字を書く人も珍しくありません。最初は字を書く場所に鉛筆で薄くマス目(簡単な丸印)を書いてみましょう。ご紹介するポイントを意識すれば、印象は大きく変わってくると思います。


美しく書くポイント

① とめ、はね、はらいを大切に

 最初に漢字を習う時、必ず練習する「とめ、はね、はらい」。大人になると厳密にできていなくても困りませんが、この3つの基本を大げさなくらい元気よく書くと、それだけで文字一つひとつがしっかりした印象になり、格好良く見えます。
 「とめ、はね、はらい」のすべてが盛り込まれている「永遠」の「永」の文字で練習してみましょう。

② 最初の起筆が肝心!

 文字の書き始めのことを「起筆」と言います。ここがきちんとできていると、安定感のある字に見えるので、ひと筆ごとに意識してみてください。
 左のお手本のように、左斜め上から筆を運ぶのがポイントです。書き始めるときに、少しだけ力を溜め、矢印の向きにぐっと踏み込むイメージです。

③ 線や、すき間の間隔をそろえる

 たて、横に平行している線の間隔やすき間は、同じ間隔を保つと、整って見えます。また、少し右上がりの文字の方がきれいに見えるので、意識してみてください。

④ ひらがな・カタカナは漢字より少し小さめに

 たて書き、横書きに限らず、ひらがな・カタカナは、漢字よりも少し小さく書くと文字の並びにメリハリがつき、非常に読みやすくなります。

一番大切なのは書く時の気持ち

 字は、一文字の中に流れがあり、すべてつながっています。だから書き順が正しいとスムーズに書く事ができます。また、毛筆は一定の線を出すことが難しいので、初心者には硬筆から始めることをおすすめしています。

 いきなりすごく上手に書こうと意気込まず、肩の力を抜いて取り組んでみてください。一番大切なのは送る相手を思いながら書く気持ち。一生懸命に書いた文字は伝わります。本来、「美しい文字」とはそういうことなのではないでしょうか。

書く姿勢

机に対して真っすぐ座り、背筋を伸ばして、お腹と机の間にこぶし一個分の間隔を開けましょう。

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