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ライフジャーナル
食事バランスとれていますか?

食事の理想は「バランスがとれていること」ですが、何をどれだけ食べれば良いか、
毎回の食事で考えるのはなかなか難しいことです。そこで、本誌の人気企画「食の知恵袋」で、
毎号食に関する情報を発信していただいている、地域活動栄養士の長岡由里子さんに、
“バランスのとれた食事”の考え方や、その目安などを教えていただきました。

朝食をしっかりとる習慣を身につけましょう

長岡由里子さん(地域活動栄養士)
組合員活動「料理講習会」の講師ほか、地域では生活習慣病講習会や幼稚園・保育園での食育活動などを行っています。

 一日三食食べることは大前提ですが、一日のはじまりである朝は特にしっかり食べてください。夕食を食べてから朝食まで、約10時間は何も食べない状態で、脳は栄養不足になっています。脳はブドウ糖で目覚めるので、朝食で注入してあげましょう。ご飯に野菜のたくさん入った具だくさん味噌汁と卵焼きで十分バランスがとれます。食事全体で言えば、1食の基本の皿数は、主食1・主菜(たんぱく質)1・副菜(野菜)2。量で言うと、主食が3、主菜が1、副菜が2。お弁当だと半分がご飯ということになります。お肉の割合を大きくした分、ご飯を少なくする人も多いですが、ご飯をしっかり摂るように心がけてください。パンの場合はこれに当てはまりませんが、サンドイッチなどで挟む野菜や卵、ハムなどのバランスを考えてみてください。ちなみに、漬け物は副々菜で、副菜にはカウントしません。

 それから、朝食をしっかり取ろうと思ったら早起きしなければならず、早起きしようと思ったら、早寝をしなければいけません。栄養バランスは、ライフバランスから見直さなければいけないということです。

色分けしてバランスを考えましょう

 よく言われることですが、食べ物の色をまんべんなく摂るとバランスがとれます。赤い色は体を作るもとになるもの。例えば肉や魚、卵、牛乳、乳製品、豆など。黄色はエネルギーを作るもとになるもの。米やパン、めん類、いも類、油、砂糖などです。そして緑は体の調子を整えるもとになるもの。野菜や果物、きのこ類などがそうです。

 「野菜の代わりに野菜ジュースで栄養を摂っている」という方がいらっしゃいますが、ほとんどの野菜ジュースは口当たりを良くするためにこしてあり、野菜の一番主な働きである食物繊維は期待できません。

 でも、ミネラルやビタミンなどの栄養素は含まれているので、時間の無い時などに利用すればいいですよ。その場合、果物の割合が多いものは避け、野菜100%のものを選んで欲しいです。

バランスの考え方は「大体」でOK

 ご家庭で食事を準備するたびに「1人何グラム、1人何キロカロリー」と考えるのは大変です。そこでぜひ参考にしていただきたいのが、上の“手ばかり栄養法”。一日で摂取すると良い目安の量を、手を使って気軽に考えることができます。とは言え、一日でイラストの通りにするのも難しいので、一週間単位でクリアできているかどうか意識してみてください。自分の食を見直すことがとても大事です。


食育も大切です

 子どもさんがいる場合、嫌がるものはあまり食卓に出さないなど、大人と子どもの食事内容を分ける「個食」をされるご家庭もありますが、バランスが崩れます。子どもが嫌がる理由は味だけでなく、咀嚼できない、大きすぎた、その時の気分の場合など、様々。日を空けてまた出してみる、違う形や調理にするなど、工夫してみてください。また「食べなさい」と叱るのも逆効果。「次は食べられたらいいね」と促しましょう。 また、“しっかり噛んで食べる”という事で、素材本来の味を感じることができ余計な味付けをする必要がなく、減塩にもつながり食べる量を控えることができます。特に成長期の子どもは噛まないとあごの発達や言葉の発達に影響が出たり、歯並びが悪くなる原因に。味の感想を会話しながら一緒に食事を楽しむことが、バランスの良い食事につながります。

テレビやスマホを見ながらの「ながら食べ」は、食事への意識や興味も薄れ、噛む回数も減ります。料理を味わって、家族との会話を楽しみましょう

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