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ライフジャーナル
~女性の生き方~もう一度働きたい!

結婚や子育てなどをきっかけに仕事から離れ、数年後に自分自身の成長のため、また家計のために
再び働きたいと考える女性は少なくありません。今年は特に税率アップの影響もあり、
ますます働きたいと願う女性は増えています。
今回は、一度離職した女性が、再び仕事を持つためには何が必要か、ママの就労支援を行う
滋賀マザーズジョブステーションなどでキャリアカウンセラーとして活躍する山下弓さんにお話を伺いました。

年収は下がり、出費は増える。この時代を乗り越えるには

山下弓さん。ライフプランニングDUO 代表。キャリアカウンセラーとして活躍するほか、ファイナンシャルプランナー、カラーセラピストとしても活動。大学生と高校生の2 人の子どもを持つママでもある。

 ここ数年、日本の人口と平均年収は下がりつつある一方で、今年の4月からは税率が上がり、例えば年収500万円クラスのご家庭(40歳以上片働き・4人世帯の場合)では年間35万円程度、消費税や健康保険などで出費が増えることになります。年収は下がり、出費は上がる厳しい状況が続く中、これから「専業主婦」はセレブの代名詞になるでしょう。多くのお母さん方は「働かなくては」と高い意欲を持ってマザーズジョブステーションを訪れます。

 その中で一番多いのが、子どもを「保育園に預けて働きたい」という人。でも保育園は仕事をしていないと預けさせてくれず、採用側は保育園が決まっていないと採用してくれない。この負のスパイラルがずっと続いているのも大きな問題です。

キャリアプランを立てその時にできる仕事をする

 「仕事がない」という悩みを持つ方が多くいらっしゃいますが、実は今、就職の状況は売り手市場。それでもなかなか仕事に就けないという方は、ご自分の年齢や家庭の状況などにマッチしていないお仕事を希望されているのかも知れません。

 組合員さんからいただいた質問の中でも、例えば「事務職でパートは難しいでしょうか?」「正社員になれる年齢と割合は?」というようなご意見がありました。事務職は基本的にフルタイム勤務、中小企業の中で一人か二人です。そこで子どもが熱を出して休んでしまわれるリスクを考えると、企業側が採用するのは現実的に非常に難しい問題です。また正社員にこだわる方が多いですが、昔と違い、パートさんがやり残した仕事や急に抜けた仕事を埋めるのが正社員なので、それを子育て中のお母さんがやるのは過酷。しかも、正社員だって5年後にはどうなっているかわからない時代、正社員だけにこだわる必要はないのかも知れません。

 それでも「いずれ正社員に」と希望する方は、まずパートでその世界に入ってはどうでしょうか。以前相談に来られた方は、建物の設計に興味があるということで、まず設計事務所の受付のお仕事をすすめました。実際に設計できなくても、その世界で人間関係を築けますし、動向やニーズを感じることができます。そうして経験とキャリアを重ねていくと、少しずつ希望の仕事に近づけます。

 また、私が育児で離職し復帰した際、最初にした仕事はコンビニの早朝仕分けのアルバイト。1年間、朝3時から6時半で週に3回続けました。「その時にできる時間でできることをやる」ということです。そして少しずつ社会に慣らしていくことが大切で、長い目で見てやりたいことや夢に近づけるよう計画します。これがキャリアプラン。だから夢を持つことは忘れないで下さい。

子育てと両立した再就職に必要な心構え

 実際に仕事を探すまでの準備としておすすめしたいのが、地域の行事やPTAに積極的に参加すること。人間関係を築き、磨くことができますし、社会性も身につきます。仕事をしていない間も、社会経験をすることはとても大事です。

 それから子どもに自分が働く母親であることを伝えておくこと。フルタイムで働き出すと、帰りが遅い時もありますし、ある程度の年齢であれば子どもに協力してもらわなければできないこともあります。いずれ自立するのですから、食事の下ごしらえだけしたら、後は子どもがみそ汁を作ったり、魚を焼いたりする程度の家事ができるよう、働き出すまでに教えておきましょう。子育てと仕事を両立させるには、子どもを自立させることです。


滋賀マザーズジョブステーション

再就職を望むお母さんやひとり親の方の就労に関するカウンセリングや研修、職業紹介などを行っています。託児( 無料) あり。

(滋賀県立男女共同参画センター図書・資料室内)
JR 近江八幡駅徒歩10分
総合受付:0748-36-1831

コープしがで働くママ

復帰しようと考えた理由は?

 仕事は続けていきたいと思っていたので自然な流れでしたが、復帰時期について迷いました。人生のうちでこれだけ長い時間をもらえるのはおそらくこの時期だけ。子どもとの時間を大事にしたいと思っていました。

事業支援部 総務人事フロア 
西口とも子さん

西口さんは、9歳の娘さんと4歳の息子さんの「働くママ」。離職ではなく育児休暇からの復帰ですが、子育てしながら働く大変さはどのママも同じ。「働くママ」の声を聞きました。

復帰して、以前働いていた時の感覚で働けましたか?

 復帰前の人事部との面談で私の不安を聞いてもらい、復帰初日には育児休暇中に変わったこと・変わってないことを確認するため、実際に事業所をまわって丁寧にフォローしていただきました。おかげで気持ちが落ち着きスムーズに復帰できました。

以前と仕事に対する想いに変化はありますか?

 なんとなくではなく、何かを残す位で取り組まなければと、ますます気合は入りました。家族との限られた時間の大切さを感じていたので、仕事はさらに集中し、生半可な気持ちではいけないと思いました。

最初、お子さんにどのように説明されましたか?

 小さい頃は「ママもお仕事に行くから一緒に保育園に行こうね」と。もう少し大きくなってからは「この先何があるか分からないから、元気でいるうちは仕事を頑張って、働くことの大切さを見て欲しい」と伝えています。

9歳の娘は理解してくれているものの、一人で私の帰りを待っている時は泣きべそで電話をかけてくることも。4歳の息子が理解するのはまだ時間がかかりそうです。

復帰して感じることは?

 家族の大切さ、健康でいることの大切さ、周りの支えの大きさなど仕事ができることの喜びを感じています。

ある一日のスケジュール
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