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ライフジャーナル
夏の掃除はカビ撃退から

夏は大掃除におすすめの季節ですが、同時に気を付けたいのが「カビ」。
じめじめした梅雨の時期に入り湿度がぐっと上がると、すぐにカビが発生してしまいます。
今回は、夏の大掃除に取りかかる第一歩として、まずはカビの予防・撃退方法について、
葉月設計オフィス 福祉住環境コーディネーター 峰 洋美さんに教えていただきました。

カビ発生の要因は温度・湿度・空気の流れ

葉月設計オフィス 
福祉住環境コーディネーター
峰 洋美さん

 パンや野菜、窓のサッシ、しまいっぱなしの布団など…気が付いたらカビができていた、という経験は誰でもあるはず。それくらい、少し気を抜くとすぐ忍び寄るカビ菌ですが、そもそもどんな条件がそろうと発生するのでしょうか?

 「カビは、温かくて湿気があり、空気が充満している空間が大好きです。温度は20~30度台を好み、特に25~35度は活発になります。そして湿度は80%以上で発生しはじめ、92~95パーセントでさらに活発に増殖。温かくて湿度が高いこれからの季節は注意が必要ですね。特に、『食べ物にカビが生えてしまった』ということだけでなく、目を向けていただきたいのが健康被害。ぜんそくやシックハウス症候群、皮ふ病などをお持ちの方はもちろん、原因不明のせきが長い間続いたり、肺や内臓の不調が続くときは、カビが原因の場合もあります。

 アレルギーのある方は、できるだけ和室(畳)で寝るのを避けて、フローリングの部屋にベッドで寝ましょう。掃除をしにくいカーペットもカビの原因になります。ホコリを溜めないために置く物は最小限に。畳の白カビはホコリと間違えやすいので気をつけてくださいね。毎朝、起きたらしばらく窓を開けて室内を換気すると良いでしょう」。

家の中で空気が滞留している所を要チェック!

 「カビはどこにでも生えますが、ポイントを抑えて対策することはできます。家の中でカビが生えそうな条件がそろうところを見つけてください。

 ペットを飼っている、観葉植物があるということでもカビが生える条件は上がります。エアコンのドライや除湿器、扇風機等で除湿や停滞している空気を動かしてあげてください」。 左ページに、峰先生に教えていただいた各部屋の気を付けたいポイントをまとめました。参考にして、今日からカビ対策しましょう!

新築するならカビ対策機能を要チェック! 結露はすぐに拭き取って

 「これから新築されるご家庭は、家具等を置かないでよいように、収納を多くして本棚の代わりに本を収納するクローゼットを作る等、収納に色々な機能を対応させると良いと思います。

 家の外構へ湿気を流すシステムや、ウォークインクローゼットに取り付ける換気扇、湿気やニオイを吸収してくれる室内タイルなどもあるので、チェックしてみてください。また、24時間換気機能が付いたシステムがありますが、湿気ではなく、ホルムアルデヒドなどの対策ですので、湿気対策をするならさらに意識して換気する必要があります。

 窓の結露はすぐに拭き取り、換気と除湿を徹底してください。家族の健康のためにも、カビの存在を意識しながら、日々対策をしていきましょう」。

カビを抑えて爽やかに過ごしましょう

玄関

下駄箱は閉めっぱなしになっていることが多いので、靴にカビが生えることもあります。運動靴など水分を含みやすいものは、濡れたり洗ったあとはしっかり乾かしてから片付けましょう。除湿アイテムを置いて、下駄箱の扉をできるだけ開けておくことをおすすめします。

マンション

実は新築されて数年は、躯体(くたい)のコンクリートから水分が出ます。いくら乾かしても少しは出てしまいますが、これはある程度仕方ないですね。新築だからと気を抜かずにこまめに換気をしてください。

和室

畳は新しいほど湿気を含んでいてカビが生えやすいものです。和室で洗濯物を干すご家庭もありますが、カビが生える条件が高くなります。表は大丈夫でも、めくってみるとカビが生えている事もあるので、定期的にめくってチェックしてください。

クローゼット・押し入れ

空気が滞留する場所で、特に素材に使われるベニヤ板は生えやすいので要注意。布団や寝汗、服なども発生の原因になるので、扉やふすまの「両側」をこぶし一つ分くらい開けて、中に風が流れるようにしておきましょう。布団は上の段に置きましょう。

寝室

ベッドの下の収納は寝汗や風の滞留、ほこりなどが多いのでおすすめしません。また、床に直に布団を敷いて寝るよりは、ベッドなどで少し床から上げた方がアレルギーの方には良いです。家具と壁の間に隙間を取り風を通してあげてください。

浴室

家中でもっとも湿度が高くなるので、梅雨時期は、換気扇をかけっ放しにしておいても良いくらいです。お風呂上がりに浴室全体を冷水でさっと流して熱気を取り、布などで水気をふきとって、扉を少し開けて換気扇とダブルで換気を。

洗面所

タイルやコーキング( 目地) の部分にカビを見つけたら、カビキラーなどですぐに掃除してください。予防としては、日頃から除菌スプレーをかけておくと発生を少し抑えられます。

トイレ

ここも空気が滞留してカビが生えやすい場所。扉と窓を開けて、できるだけ換気を。水漏れなどはその都度しっかり拭いておかないと、フロアの下に漏れてクッションフロアの下にカビが生えます。

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