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ライフジャーナル
スッキリきれいに!冷蔵庫あらため術

日々の食生活に欠かせない存在なのが「冷蔵庫」。蒸し暑くなるこれからの季節は、1年のうちで、もっとも活躍する時期ですよね。同時に気になるのが、食品の衛生や節電のこと。
今回は、消費生活アドバイザーの八島明子さんに、冷蔵庫の使いこなし方をうかがいました。

詰め込みすぎ、過信はNG

八島明子さん

八島明子さん
消費生活アドバイザー歴18年。企業や行政の相談窓口で、消費者の生活に役立つ知識や情報をアドバイス。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会(nacs)西日本支部の副支部長。

 共同購入で届いた食品や買い物したもの、作り置きの惣菜、食べ残しなど、冷蔵庫にひとまずしまうという人は多いですよね。詰め込みすぎて庫内のどこに何があるのかよくわからない、気が付いたら賞味期限がかなり過ぎていた、なんてことになったことはありませんか?

 「とりあえず冷蔵庫に入れたら安心、と思ってはいけません。一般のご家庭の冷蔵庫は、開け閉めが多く、冷蔵・冷凍庫内にしょっちゅう温度差が発生しています。それに、冷蔵庫に入れたら食品の寿命が延びるわけでもありません」。

 そして、「詰め込みすぎた冷蔵庫は、庫内に冷気が回りにくくなります。衛生面がおろそかになりがちだったり、庫内のものを取り出す時に探す時間がかかったりと、悪いことずくめです。その上、未開封のまま消費期限が過ぎたからといって食品を廃棄してしまったら、もったいない」。

 ちなみに、冷蔵室の設定は「中」が基本(経済産業省が推奨する節電アクションより)。この設定で庫内が冷えないと感じたら、詰め込みすぎといえるかも知れません。

 まず、冷蔵庫内の状況を把握すること、過信しないことが、冷蔵庫を使いこなす第一歩です。

〝取説〟を見たことはありますか?

 実は、冷蔵庫の機能や掃除について、とても役に立つ冊子があります。「それは取扱説明書。購入した時にもらう、あの冊子です。冷蔵庫の機能や使い方を一番よく知っているのは、冷蔵庫を作ったメーカー。機能の説明だけでなく、各スペースに収納する食品のことや上手な冷凍・解凍方法、お手入れの仕方まで詳しく書かれているので、一度だけでなく何度でも見返してほしいですね」。

 その上で、八島さんがおすすめする冷蔵庫の管理方法は、「汚れに気が付いたら、ちょこっと掃除。ついでに、食品の状態や消費期限・賞味期限を点検」するやり方です。

 「大掛かりな掃除となると、庫内を空にして、中の棚を外して洗うなど手間がかかって大変。私だったら、いやになっちゃいます(笑)。それに、汚れを放置しておくと、取り除きにくくなるし、菌が繁殖して不衛生」。そして、「ちょこちょこと掃除するようにすれば、庫内の食品を点検できるようになります」。

 また、共同購入や個人宅配の利用日直前は、冷蔵庫内が空いていて、掃除しやすい絶好のタイミング。「私も生協歴は30年以上。生活のパターンに掃除のタイミングを合わせていくと、掃除が習慣になっていきますよ」。

 また、共同購入や個人宅配の利用日直前は、冷蔵庫内が空いていて、掃除しやすい絶好のタイミング。「私も生協歴は30年以上。生活のパターンに掃除のタイミングを合わせていくと、掃除が習慣になっていきますよ」。

コツを抑えて「7割収納」

 冷蔵庫の中がいっぱいで、こまめな掃除なんか無理!という人もいますよね。そんな状況に陥らないために心がけておきたいのが、「7割収納」です。「冷蔵庫の奥の壁、棚の底面が見えるような状態をイメージしてください。棚の底面が見えるということは、収納しているものの間に隙間があるということ。隙間があれば、汚れをちょっと拭き取るのも容易になります」。また、庫内の収納の仕方にもコツがあります。

 「冷蔵庫、食品をずっと保管しておく場所ではなくて、食品を回転させる場所。入れたものは使い切る、食品を無駄にせず愛する気持ちを大切にしてほしいです」。ひいては、衛生面や節電にも役立ちますね。

詰め方

棚の底面、奥の壁が見えるレベルの収納を。上・中・下段の詰め方は、取説が役に立つ。

小物

トレーや仕切りなど、使い勝手を考えた小物の活用も一考。

チルド

約0~ 2℃で、食品が凍りはじめる直前の温度帯。一般の冷蔵保存よりも熟成や発酵を遅らせるので、生鮮の魚介類、発酵食品や乳製品、練り製品などの保存に向いている。

野菜室

野菜くずなどで汚れやすく、汚れを放置しやすい場所。固く絞った布巾で庫内を吹きとるだけでもきれいに。

自動製氷機

メーカーの取扱説明書によると3日~1週間に1回程度の掃除が推奨されているケースが多いが、掃除がしにくく怠りがちな場所。

冷凍庫

食品を冷凍保存する場所だが、冷凍した食品は何年も保存できるわけがない。1~2カ月で食べきる工夫を。

消費期限 Use-by date

急速に劣化しやすい食品につけられる「食べられる期限」の表示です。期限を過ぎたら食べない方がいいでしょう。

賞味期限 Best-before

品質の劣化が比較的遅い食品につけられる「おいしく食べることができる期限」の表示です。この期限を過ぎても、すぐ食べられないということではありません。

お役立ちサイトの紹介

しんきゅうさん

製品のメーカー、型番などを入力して、消費電力やCO2排出量などをチェック、比較できる。省エネ製品買換ナビゲーション

http://shinkyusan.com/

節電.go.jp

家庭でできる節電メニューなどを紹介。政府の節電ポータルサイト

http://setsuden.go.jp/

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