そろそろお鍋が恋しくなる季節。「どんな具材を入れようか」と考えるのも楽しみのひとつです。
CO・OPとりとんボールは、コープ商品の中でも人気の鍋の具材のひとつ。国産の鶏肉と玉ねぎ、豚肉を使った肉だんごで、ほんのりしょうゆ風味に味付けされています。冷凍した状態のまま鍋に入れるだけで食べることができ、鍋のスープを吸いつつ、鶏肉や豚肉のうま味を出してくれるので、味に深みが増し、食べ応えも充分。柔らかく、ほどよい大きさなので、小さなお子さんのファンも多いとか。
そんな愛され商品を製造しているのが、印南養鶏農業協同組合。兵庫県明石市の西に位置する加古郡に工場があり、昭和28年から養鶏に関する事業を展開しています。
今回は、鍋以外にも幅広く活躍してくれる、CO・OPとりとんボールを作る上でのこだわりポイントや、生産者の方々の想いを聞きに生産工場を訪ねました。
印南養鶏農業協同組合は、昭和28年に養鶏事業を営む印南郡養鶏農業組合として設立。養鶏技術や経営の指導、養鶏の飼料、ひななどの購買、鶏卵の販売事業など、養鶏に関する様々な事業を展開してきました。
そんな中、印南養鶏が常に大切にしていたのが「食の安全性」。「わが子にも食べさせたいものかどうか」を念頭に開発する加工食品や、飼料からこだわりを持って育てた鶏卵・鶏肉は高い評価を得、現在は生協や学校給食で扱う加工食品を多く製造しています。
「国産の材料で、鍋に使える加工肉食品を作りたい」という日本生協連からの依頼を受けて誕生したCO・OPとりとんボール。国産の鶏肉、豚肉、玉ねぎが原料の52%を占め、添加物や保存料を使っていないので、冷蔵にすることができず、冷凍の商品として販売されています。
肉だんごは和風ベースの味付けになっているものの、アレンジしやすいようにうす味に仕上げられています。「ですが、肉のうま味はしっかり残しています」と話すのは、食品販売部の足立さん。
鍋や煮物に入れても煮くずれせず、やわらかさもあるというバランスにもこだわり、9月から2月の鍋シーズンのピークには、1日に最大3万6000パックを製造することもあるそうです。「9月には、パッケージをすっきりしたデザインにリニューアルし、さらに柔らかい食感にしました」と足立さん。人気商品でありながら、常によりよいものを追求する、熱い想いが感じられました。
鍋の具材としてはもちろん、そのアレンジの幅の広さでも評価が高いCO・OPとりとんボール。パッケージの裏面には、甘酢あんのレシピが紹介されていますが、利用している組合員さんからは、煮物やパスタ、シチュー、カレーライス、さらにみそ汁(!)と何にでも使えて、下ごしらえの手間もなし、と高評価。
和風ベースですが、肉本来の味わいを大切にしているので、和洋中どんな料理にも合います。解凍せず、そのまま使える手軽さも魅力で、冷凍庫の常備品にしている人も少なくありません。
素揚げにするだけでもおいしいですが、「以前は揚げると、色が黒っぽくなりがちで、今回のリニューアルに伴い、その点も改善しました」と、商品開発部の安原友美さん。「製造工程でも、一度プリフライ(低温で揚げる)することで、表面に熱を通してうま味を閉じ込め、中のジューシー感を出しているんですよ」。
足立さんのおすすめのレシピは、解凍してケチャップとからめるだけでお弁当のおかずになる「ケチャップボール」。と、CO・OPとりとんボール1~2個をキャベツまたは白菜で包み、あとはおでんやトマトソース、中華ベースのスープで煮込むだけの「ロールキャベツ」。小さいのでお弁当にも入れられます。
もし焼いて調理したい場合は、電子レンジで解凍してから焼くと、まんべんなく火を通すことができるそうです。
材料となる肉は、まず目と手で点検しながら検品します。ひき肉にした原料肉や調味料などをミキシング。
団子状にしたらプリフライ。うま味を閉じ込めてから蒸しあげます!
加工した肉団子は急速凍結後、コンピュータースケールを通って決められた分量ごとにパッキングされます。
コンピューターや人の目や手で、安全な食品かどうか何重にもチェックし、届けられます。