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大人の体幹トレーニング


スポーツ武術活動支援機構 業務執行理事
八戸はちのへ 智紀とものり 先生

白鳳流合気武道4段。古武術道場や体操クラブを運営する一方で、子育て支援活動にも精力的に参加。南地区のひろば活動で長年講師を務めている

近年は、猛暑の影響で運動不足に陥りやすいこの季節。気付けば一日中冷房の効いた部屋にいた…なんてことも少なくありません。
でも、大丈夫! 今すぐおうちで始められる簡単なエクササイズで、一生元気な体を作る“体幹”を鍛えましょう。スポーツ武術活動支援機構の八戸智紀先生にお話をうかがいました。

体幹ってどこを指すの?

トレーニングを始める前に、そもそも体幹がどこにあるのか皆さんはご存知ですか? 体幹とは、おへそから少し下がった奥にある部分。東洋医学で丹田たんでんといわれるヒトの体の重心です。

実をいうと体幹は、ちょっとやそっとで衰えません。たとえば生まれたばかりの赤ちゃんは最初こそ仰向けですが、だんだん首を振りながら寝返りを打とうとします。ここからすでに体幹が育ち始めているのです。

やがて赤ちゃんはのけ反るような行動でからだを起こす筋肉をつけ始め、今度はずりばいやハイハイで立つための筋肉を養います。こうしてじっくり育った体幹は強いものなのですが、その周りを構成する筋肉の衰えが、さまざまな不調の原因になるのです。

とても大切な脇腹の筋肉

体幹を構成するたくさんの筋肉の中でも、僕なりに重要だと考えているのが脇腹の筋肉。前鋸筋ぜんきょきんという筋肉で、手を伸ばすときに使います。

たとえばボクサーがパンチを繰り出すとき、ピッチャーがボールを投げ放つとき、ウェイトリフティングでバーベルを持ち上げるとき…。かなり幅広いスポーツでポイントになる筋肉ですが、ここが固くなってしまうと肩甲骨がうまくスライドできず、肩こりから四十肩、五十肩を引き起こすといわれています。

しかも前鋸筋は手を伸ばすだけでなく、体を支える上でも重要な筋肉で、足を引き上げる筋肉とも連動しています。ですから丈夫な足腰を維持するためにもトレーニングは必須です。

武術を応用した半棒体操

今回は古武道の半棒術をアレンジした半棒はんぼう体操から。半棒とはひじから手の先までの長さの棒で、ここでは厚さ3mmくらいのカタログやパンフレットをくるくるっと巻いて使用します。

まずは背中ごしに棒を持って肩甲骨を寄せるエクササイズ、頭の上に棒を掲げて体側を曲げるエクササイズ。この2つで体をほぐし、ウォーミングアップを始めましょう。

続いて棒を空中で回転させてキャッチするキャッチ&スロー、片足ずつ、ももを上げて円を描くように棒を通すもも上げぐるぐる。この2つで反射神経を鍛え、からだの動きをスムーズにして転倒やケガを防ぎます。

そしていよいよ本題の前鋸筋トレーニング。これは棒の端を持ち、上段・中段・下段と突きの動作をします。最初から強く突く必要はありません。ゆっくりやさしく、手を伸ばすことを意識して。さぁ、早速チャレンジしてみましょう!

簡単&楽々 半棒体操
まず、トレーニング用の棒を作りましょう
半棒

【材料】

  • 厚さ3mmくらいのカタログやパンフレット(宅配用カタログ『エコー』でもOK)
  • ビニールテープ(できれば色違いで2種類)
  • ハサミ

【作り方】

カタログやパンフレットを端から巻いてビニールテープで固定し、トレーニング用の棒を作ります。持ち手の目印として片側に色違いのビニールテープを巻いておくと、さらに運動がしやすくなります。

Challenge 1

肩回りをほぐしてからだを整えるウォーミングアップ

①鳥のはね

鳥のはね

腕を後ろに回して両手でしっかり棒をつかみ、肩甲骨を前後に寄せたり引いたりする動作を10回程度繰り返す。たまにポキッと骨が鳴ったらほぐれている証拠。

②体側伸ばし

体側伸ばし

頭の斜め上辺りで棒を持ち、体側をゆっくり左右に曲げていく。この時、ひじを伸ばしきらずに少し曲げて持つのがポイント。左右合わせて10回程度でOK。

Challenge 2

脳トレ感覚で挑戦できる神経系のトレーニング

①キャッチ&スロー

キャッチ&スロー

棒を片手に持ち、空中で1回転させてキャッチ。5回できたら逆回転で5回キャッチ。「外側から内側に向かって放るのは簡単。でも手首を使って内側から外側に向かって放るのはかなり難しいはず。しかも利き手の反対側だと、さらに難易度アップ。ひじを90度くらいに保つと投げやすいです」。※脳神経系の病気を患ったことがある人は、どうか無理をしないでください。

②もも上げぐるぐる

もも上げぐるぐる

片足ずつももを上げて、その周りで円を描くように棒を通していく。これも左右合わせて10回程度。難しければ8の字を描いてもOK。→足腰に不安がある人は座っても大丈夫! イスに座って行う時は、大きく股を開くとやりやすい。失敗しても問題なし。落として棒を拾う動作もエクササイズの1つ!

Challenge 3

古武術を取り入れてカッコよく前鋸筋トレーニング

前鋸筋トレーニング

わきを締め、胸の前で片手で棒の端を持ち、斜め上に突き出す[上段]・前に突き出す[中段]・斜め下に突き出す[下段]の動きを1セットとして3回繰り返す。必ず左右行うこと。「つらい場合は棒の真ん中を持つと少し楽になります。素早く強く突くのではなく、ゆっくりと肩甲骨が外側へスライドしていることを意識してください。それができたら、上から下に打ち下ろしたり、下から打ち払ったりする動作を加えてアレンジを。知らず知らずに護身術も身に付きます」。

八戸先生からのアドバイス

ウォーキング前の転倒予防に、デスクワーク前の肩こり防止に、毎日続けてほしいトレーニングです。慣れてきたら自分なりに考えてメニューをアレンジしてください。それが脳のトレーニングにつながります。

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