本文へ

新春インタビュー
コープしが理事長・白石一夫さん

地域社会につながりの輪を広げる 笑顔あふれる未来をめざして

白石理事長

 明けましておめでとうございます。今年は56年ぶりに東京で夏季五輪が開催されるオリンピックイヤーですね。世界中から集まるアスリートたちの活躍に今から期待が膨らみますが、コープしがでも組合員からの期待に応えられるよう、日々努力を続けています。

 そこで今回は新春特別企画として、昨年コープしがの理事長に就任した白石一夫さんに2019年度の事業内容の振り返りと今後の展望についてききました。また、理事長就任に際しての新たなる決意、その気さくな人柄についてもご紹介していきます。

2019年はコープしがにとってどのような1年でしたか?

 ひと言でいえば“試練の1年”でしたね。まだ記憶に新しいかと思いますが、一昨年は台風や大雨による甚大な災害で近畿・四国の農産地が壊滅的な被害を受け、全国的にも深刻な野菜不足に陥りました。生協の農産品は原則的に年間を通じて同じ価格で提供しています。それが組合員・生産者にとって魅力の1つなのですが、市場価格が高騰すると、利用が集中します。結果、キャベツ1玉の注文を「半玉にしてください」とお願いを強いることとなりました。

 その後は暖冬の影響で野菜が豊作だったため、市場価格が低下。それでも生協は一定価格で販売するのが原則ですから、割高に感じた組合員の農産利用が減り、供給高に大きな影響を及ぼしました。

 昨年10月からは消費増税が実施され、キャッシュレス・ポイント還元事業がスタート。各社が囲い込みのためポイント合戦を繰り広げる中、コープしがでは生協にしかない価値あるもの、生産者の顔が見えるものを軸として、今まで以上に組合員の声に耳を傾けながら、独自の商品やサービスを提供しようとしています。

“未来づくりの一環として設立された「ハートコープしが」について教えてください。”

 ハートコープしがは、小松菜などを栽培する農場と、回収した内かけ袋やペットボトル、古くなった保冷箱をリサイクル原料にしたり、オリコン(常温の商品を入れる青い箱)の洗浄などを行うリサイクルの仕事を担っているコープしがの子会社です。農場では、農産品の加工時に発生する食品残さを堆肥にして使用しています。

 最近では就労人数も増え、ハートコープ農場で育てた小松菜を、宅配や一部の店舗に供給できるようになりました。今後はほうれん草や水菜といった葉物野菜を中心に順次出荷をしていく予定です。

来年には長浜市内に店舗の出店が決まりました。

 以前から要望の多かった長浜市に4号店の出店が決まりました。国道8号線沿いの長浜市民会館跡地に2021年3月オープン予定です。中京圏の食文化の影響が強いエリアですから、大津・守山といった滋賀県南部の既存店舗と同じ品ぞろえというわけにはいきません。地域の特性や組合員の声を参考に、イチからじっくり店舗づくりに向き合いたいと思います。

白石理事長ってどんな人?

―― 就任して半年。現在の想いをお聞かせください。

 現代の社会の仕組みや経済の仕組みにおいて、人と人との絆がどんどん薄れてきているように感じます。毎日、きな臭い事件や紛争が後を絶たず、その中で生協が果たすべき役割とは何か。それは職員と組合員だけでなく、生産者や行政と共に周囲と繋がり、地域社会をよりよくする体制を自ら作ることだと思います。

 まずはその第一歩として、私たちと同じ協同組織である滋賀県内の農業協同組合(JA)を訪ね、コープしがに対する評価を伺いました。そして、十分にご理解いただけていないことがわかりました。たとえばコープしがにはコープシステムサービス(CSS)という子会社があり、そこで青果物の検品や袋詰めを農家にかわって代行し、組合員に確かな品を届けるお手伝いをしています。

 それは農家の手間を省くだけでなく、結果的に農家のブランドを守ることにも繋がるのですが、ご存じないJAが多かった。相互理解を深めることで、お互いの資源を少しずつ活用し解決することがあるように思います。

―― 宅配担当時代のエピソードがあれば教えてください。

 私が配達していたエリアに妊婦さんが引っ越してこられました。7人くらいのグループに入っていただくと、ほどなくご出産され、ひと月くらい入院されました。入院中、妊婦さんのご主人とお子さんのお世話を入れ代わり立ち代わりされる同じグループの組合員さんたちの姿を見て、「生協の組合員さんってすごいな」と感動しました。

―― 休日はどのように過ごされていますか?

 録りためた映画を見ます(笑)。私は邦画が好きなんですが、最近面白かったのは2018年に公開された『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています』。半分はくすっと笑えますが、半分は考えさせられる。「夫婦って何だろう」と思いましたね。

―― 好きなコープ商品は何ですか?

 4本入りの「CO・OPちくわ」です。毎週宅配で2パック注文しますが3日でなくなる(笑)。混じり気のないやさしい味で、そのまま食べてものどが渇きません。

白石理事長からのメッセージ

 「鳥が止まる木にはわけがある」という言葉があります。鳥は枝の太さや質感、葉の茂り具合など、心地よさを基準に木を選んでいますよね。私たちも組合員さんが喜んで止まれる木になりたい。色んな要素を持ち合わせ、総合的に“心地よい”と思ってもらえる、そんな木を目指して、日々模索を続けています。


白石理事長プロフィール

1963年/滋賀県大津市生まれ
1986年/生活協同組合コープしがの前身である大津生協に入協
2011年/専務理事に就任
2019年/理事長に就任
学生時代はラグビーに熱中。現在の趣味はスポーツ観戦。

ページトップへ